KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年8月号
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体を取り出すのですか。いろいろなアプローチの方法があります。呼吸器内科では喉から気管へ内視鏡を入れて透視しながら生検鉗子で細胞や組織を取り出します。消化器内科では喉や鼻から、大腸は肛門から内視鏡を入れます。肝臓や腎臓であれば内視鏡の生検鉗子から針を刺して病変にアプローチします。こうして取り出された検体がホルマリンに浸されて病理診断科に運ばれてきます。―運ばれてきた検体の確定診断の方法は?基本的な方法はH&E(ヘマトキシリン・エオジン)染色を用いて、その反応を顕微鏡で観察します。昔から使われている優秀な方法で、ほとんどの症例で確定診断がつきます。リンパ腫など、H&E染色だけでは確定診断がつけられないケースでは、抗体抗原反応を利用して特定の物質を可視化する免疫組織化学を用いた方法を併用します。87

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