HYOGO産を世界に発信するPROJECT2025産地紹介マッチ兵庫 マッチ生産量日本一マッチの生産は1875年に東京で始まり、国内市場を満たすと輸出中心の産業となり、貿易に有利な大阪・神戸近辺に業者が集積した。華僑の手による輸出、豊富な労働力や晴天が多い気候条件などから兵庫県が生産の中心になった。生産地は神戸から次第に西へと移り、現在、自動マッチ製造機があるのは姫路市と岡山市に一社ずつ。兵庫県の全国シェアは80%で、生産量の10%は米国向け中心に神戸港から輸出している。丹波燒丹波日本六古窯 丹波焼丹波焼の発祥は、平安末期から鎌倉時代のはじめと言われ、約850年の歴史があり、現代まで生産が続く代表的な窯業地である「日本六古窯」(瀬戸・常滑・信楽・越前・丹波・備前)のひとつに数えられている。一貫して素朴な「生活用器」を主体に焼き続けており、平成を経て、伝統技法を活かしながら自由な発想でモダンな器を生産する窯元が増え、昔と今が融合する“レトロモダン”が丹波焼の新たな魅力となっている。皮革播磨 成牛革生産量日本一兵庫県の製革業は、弥生時代後期に大陸からの帰化人が鞣製技術を伝え、その基礎を築いた。江戸時代中期に全国的な商品経済の発達と姫路藩の重商政策で発展。明治期の近代的鞣製法の取り入れと大正期の軍需専門化により急速に企業化が進んだ。皮革一次製品のなめし革の生産拠点として発展し、多くの工場が独自技術を発揮し、全国有数の高級皮革産地に成長。現在、姫路市の高木・御着・網干、たつの市の松原・誉田・沢田、太子町などが主な産地。杞柳製品(豊岡杞柳細工)但馬柳で編む伝統的工芸品2000年の歴史を持つ豊岡杞柳細工は、江戸時代に藩の保護奨励・専売制により「豊岡の柳行李」として知られるように。明治時代に「行李かばん」が創案され、大正時代には「大正バスケット」が大流行。戦後、買い物かごやショルダーバッグ、かごバッグも作られるようになった。1992年、国の伝統的工芸品に指定され、2007年、地域団体商標として登録。職人らは材料のコリヤナギの栽培、収穫、素材として整え編みあげるまで全て自らの手で行う。豐岡のかばん但馬鞄生産量日本一豊岡盆地に多く自生していた「コリヤナギ」を原料にした「杞柳細工」で作られたカゴを起源とし、1881年、八木長衛門が第2回内国勧業博覧会に「行李鞄」を創作出品したのが豊岡におけるかばんの源流と言われている。国内最大のかばんの生産地としてOEM生産を中心に発展してきたが、今は「豊岡」の各企業が自社ブランドの確立に取り組み、関連商品や環境に配慮した製品等も展開。2006年、兵庫県鞄工業組合の「豊岡鞄」が地域団体商標として認定された。線香淡路 線香生産量日本一 淡路島の線香づくりの歴史は1850年代にまで遡る。商業港として栄えた江井浦の住人が、地域の維持発展を願い、線香づくリをはじめた。船が出せず暮らしを妨げていた冬の風は、線香を乾かすのに大いに役立った。燻煙や灰落ちの美しさにも気を配り、手間を惜しまず1本1本丁寧に仕上げる淡路島のお線香。代々家業を受け継ぐ14人の「あわじ島の香司」は伝統を守りつつ、日々新しい香りの創作に励み、世界に向けて発信している。73
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