タイトルに「蔵」を使ったことにも、実は理由があります。蔵は、“宝物や秘密などの大切なものをしまっておくところ”。どの街にも宝ってありますよね。「自分が住む街にはどんな宝があるかな?」って考えてみてほしい。誇れるものが必ずあると思うんです。Q.それが街の豊かさということ?豊かさって何?って思ったときに、じゃあ豊かさの反対の言葉って何だろう?と考えてみたんです。言葉を探すうちにイコールお金ではないなと。倉敷でいうと、山があって、里があって、海と工場地帯があって、桃やマスカットが採れて、美観地区もある。いろんな生活基盤があり、いろんな個性の人物が育まれていく。それって豊かさだなというのが私の答えになるんでしょうね。Q.街のところどころに謎の人物が現れますね。“謎の…”ですね(笑)観る人がそれぞれ正体を考えてくださっていいのですが、街が出来上がる過程で、土台を作ったキーパーソンがいると思っています。街を作ったのは人ですから、長い歴史のどこかにいますよね。その人たちが、実は、街をずーっと見守ってるんじゃないかな。「あなたたちは、この街を、未来に向けてどうしていくの?」なんて気持ちでね。そう考えると、街を大切にする気持ちが生まれると思うんです。っていうか、そんな神様がいたらいいなと思いませんか?『人』のこと。Q.神様は橋爪功さん。風船をもつ姿が可愛らしいです。橋爪功さん、林家正蔵さんは、助監督をしていた頃からのお付き合いがあって、ぜひにと思いお願いしました。橋爪さんは“謎の人物”というオファーにもかかわらず、説明を求めることもなく。信頼してくださったことに感謝しています。岡山県出身の役者さんにもご協力いただいています。Q.フィギュアスケート高橋大輔さんの出演には驚きました。イメージ通りだったんです。喋り方も表情も。キャスティングを考え始めたころ、テレビでインタビューを受けている高橋さんを見て、いい!しかも倉敷出身!と思いました。高橋さんの出演が決まってからおもしろいことがあって…。エキストラの募集に、それまではそんなに応募がなかったのが、高橋さん効果で全国から応募が来ました(笑)37
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