慶応3年(1867)、兵庫開港に備え、江戸幕府・英国公使間で締結された大阪条約により、瀬戸内海航路の要所に5基の灯台建設が約束された。英国人技師R・H・ブラントン氏設計・指導の下、家島(姫路市)産の御影石を使って造られた「江埼灯台」はその一つ。日本で8番目に造られた美しきかな ひょうごの文化財江え埼さき灯とう台だい第八回行き交う船舶の安全を見守り続けて154年洋式灯台で、建設当時の状態のまま現存する石造りの灯台として2番目に古い。明治4年(1871)4月27日の初点灯以来154年、明石海峡に向かって凛として立ち、行き交う船舶の安全を見守り続けている。建物はブラントン氏設計の特徴的な円筒型の灯台と扇形の平屋づくりの付属舎(1階部分)で形成されている。阪神・淡路大震災により、石積みの壁に大きな亀裂とズレが生じたが安全確保のうえでモルタル補強を施し、震災の記憶を極力留めている。1階内部は無停電式灯台自動制御装置や非常電源用蓄電池などが設置され、奥に残る暖炉が唯一長い歴史を物語っている。灯台の光源は石油第三等大型不動レンズ。このレンズを通して現在は赤白の光が交互に約30㎞先まで放たれている高さ約8.3m、白亜の灯台16
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