では兵庫CKD対策・連絡協議会(2011年発足の非営利団体)が主体となり、2013年より県内各地持ち回りで世界腎臓デーのイベントを開催してきました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年からしばらく中断しましたが、昨年姫路で再開し、今年は明石で3月23日におこないました。─イベントを通じ、市民にどのようなことを伝えたいですか。米倉 まず、CKDであっても自覚症状を感じないことが多いので、腎臓が発信するサインを見逃さないでほしいということです。サインが出るのは血液検査や尿検査ですので、そのことを知っていただいて健康診断や人間ドックを受けていただきたいです。特に若い働き盛りの世代や出産後の女性には、ご自身の身体よりも気になることがあっても、元気だから、若いから大丈夫だろうと思っても、うことが問題です。さらに、末期腎不全になるよりもずっと前から心臓や血管の重篤な疾患を発症しやすくなる、その結果寿命も健康寿命も短くなり得る、ということが大きな問題です。以前は慢性腎不全になってはじめて気付いて、病院を受診したら早々に透析せざるを得ない、という患者さんも多かったのです。近年はCKDという概念が浸透して透析しかできないくらいに悪化する前に病状の発見が可能になり、早期に気付くことで原因の検査や治療、根本的な治療ができない場合にも腎臓のはたらきの低下を遅らせるための治療に繋げることができるようになりました。─世界腎臓デーについて教えてください。米倉 CKDやその他の腎臓病の早期発見・早期治療の重要性を啓発し、腎臓の役割の大切さを広く知ってもらうための国際的な取り組みで、2006年に国際腎臓学会と腎臓財団国際連合により毎年3月の第2木曜日が世界腎臓デーと設定されました。この日を中心にして世界中でさまざまな啓発イベントが開催されています。兵庫県あかし市民広場での街頭キャンペーン81
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