KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年7月号
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データから完全に自動で刺繍している。ところがこれはデジタル制御ゆえどうしても0.1ミリマスになってしまうとか。そこで活躍するのが、前後左右に自由に縫える100年ほど前の特殊なミシン。これでアナログに刺繍した商品はもはや芸術だ。スマホでデータを読み取れる独自技術のワッペン「こねっくと」も面白い。服のタグなど気にも留めないような小さな刺繍にも、この街で培われてきた高い技術と、三代にわたり継承してきた職人の魂が煌めいている。カタカタと鳴るミシンの音は、この街の心地良いサウンドスケープなのだ。開工神戸は〝邂逅神戸〟長田や兵庫では家具など木材加工も盛んだ。MAR_Uは六甲山をはじめとする神戸の山林で伐採された木を、若いクリエイターが設計から製造まで一貫して手がけるラボラトリー的なファクトリー。神戸にはもともと林業がないため除伐や間伐などで発生した樹木の流通チャネルに窮していたが、それ金川刺繍株式会社1933年の創業から伝統を守りながら、常に新しい取り組みに挑戦を続ける。スマホでSNSなどのデータを読み取れる独自技術のワッペン「こねっくと」などアイデア商品にあふれる。金川刺繍株式会社代表取締役金川誠司さん早苗さんご夫妻69

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