KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年7月号
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「監督も僕と同じ広島出身なんですよ」ところが、その後、一年以上かけて、小路監督とともに何十回と編集を練り直し、納得のいくまで修正を重ねていった。そして遂に映画祭へ出品する最終版を完成させた。小路監督、共演者のカトウシンスケ、藤原季節も、この一本の映画から頭角を現わしていくのだ。映画俳優としての毎熊の快進撃は続く。映画だけでなく、NHKの大河ドラマ『光る君へ』や連続テレビ小説『まんぷく』など話題のドラマへの出演依頼が殺到する。それでも、自主製作映画を撮っていたころの情熱、謙虚さを忘れてはいない。「今でも『ケンとカズ』を僕の代表作だと、多くの人が言ってくれます。それはとてもうれしいのですが、いつまでもそう言われているのは悔しいし、それではいけない。これを越えなければと思っています」と語り、こう続けた。「これからは、この『「桐島です」』が僕の代表作だと言いたい」いよいよ7月4日から『「桐島です」』が全国で封切られる。“俳優、毎熊克哉の代表作の一本”と呼ばれる日は近そうだ。文=戸津井康之■作品情報監督:高橋伴明脚本:梶原阿貴プロデュース:高橋惠子、高橋伴明出演:毎熊克哉   奥野瑛太 北香那 原田喧太    山中聡  高橋惠子配給:渋谷プロダクション©北の丸プロダクション7月4日(金)MOVIXあまがさき、7月5日(土)元町映画館、第七藝術劇場ほか、全国ロードショー!公式サイト撮影協力:第七藝術劇場65

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