KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年7月号
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屋カメラクラブ」を主宰し、各種公募写真展の審査員をつとめるなど、その写真とのかかわりは終生、多面的かつ複雑でした。さて、本誌7月号が出る頃は「沈潜-純写真を求めて」と題するⅠ期を開催中です。ここでは、岩太が目指した「純写真」の片鱗をうかがうため、モンタージュやフォトグラムなど、さまざまな技法を使って制作された作品を中心に展示しています。一瞬の時間や、リアルな現実にこだわる写真作品との「違い」を堪能していただければと思います。7月18日(金)からは、作品を全面的に入れ替え、Ⅱ期「遭遇-ニューヨーク、パリに住んで」を開催します。中山はアメリカ時代にモダニズム芸術の先鋭部分に触れたと思われますが、自身の分野である写真表現の問題としてそれを理解しえたのはパリにおいてでした。当館3階で開催中の「藤田嗣治×国吉康雄 二人のパラレル・キャリア-百年目の出会い」とあわせてご覧ください。Ⅲ期は「展開-阪神間モダニズムを生きて」と題し、中山の幅広い、しかし終始一貫、中山独自の美学に裏打ちされた作品をご覧いただきます。(学芸員・西田桐子)■神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1■TEL.078-262-1011■休館日:月曜(祝日・振休の場合は翌日)■開館時間:10:00-18:00(展示室への入室は17:30まで)兵庫県立美術館HYOGOPREFECTURALMUSEUMOFART神戸風景(トンプソン商会) 1939年頃 Ⅲ期(10/3〜12/14)で展示福助足袋 1930年 Ⅲ期(10/3〜12/14)で展示13

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