KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年6月号
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ければいけません。ですからD-Kometは発災直後から活動することを想定しています。現在は医師166名をはじめ、歯科医師、看護師、薬剤師、医療事務職など285名が登録し、必要な訓練をおこなっていることなども紹介させていただきました。─パネラーからはどんなお話がありましたか。堀本 キムラ緑子さんはご自身の阪神・淡路大震災の体験や、洲本市にあるご実家の被災体験などのお話を交えつつ、市民の視点から日常生活の中での災害への「備え」の大切さを語ってくださいました。久元市長はハード面のみならず、行政と地域住民が一体となった防災訓練などソフト面での対策も重要だというお考えを示されました。長沼さんは災害時のメディアの機能はどうあるべきかを掘り下げられ、私は医療機関同士や医療と行政の連携体制をより強固にすべきだと申し上げました。さまざまな課題が浮かび上がり、有意義なディスカッションになったのではないかと思います。─今後もこのような催しをおこなっていくのでしょうか。堀本 神戸市医師会ではこれまでも震災10年、20年、25年、そして今回の30年と節目節目にフォーラムを開催していますが、その流れを継続していければ良いですね。今後は震災を知らない世代が増えていき、当時の記憶の風化も危惧される一方、災害は増えています。神戸市医師会は阪神・淡路大震災で被災した医師会ですので、引き続き経験や教訓の伝承、そして災害への備えに力を入れていきたいと思っています。ハード面のみならず、行政と地域住民が一体となった防災訓練などソフト面での対策も重要だという考えを示された久元市長フォーラムの最後には、神戸市消防音楽隊の伴奏のもと、6大学のコーラス部と神戸少年少女合唱団の全員で一緒に「しあわせ運べるように」が歌われ、良いフィナーレとなった97

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