動をおこなったそうですが、一方でこれらの活動が組織的におこなわれなかったという反省点も浮かび上がってきました。そこで、神戸市医師会ではチームを組んでより効率的に活動できないかということから組織されたのがこのD-Kometです。阪神・淡路大震災をきっかけにDMAT(災害派遣医療チーム)やJMAT(日本医師会災害医療チーム)ができ、発災後、順次これらが被災地に入って活動するのですが、南海トラフ地震の場合は南方の高知や徳島や和歌山などを重点的に支援することになるので、神戸圏域にDMATなどの外部からの援助が期待できない最悪の事態も想定しな自身も西宮で被災した長沼さんはその体験も交えながら、阪神・淡路大震災の記事を振り返り震災報道のあり方について語られたとともに、昨年の能登半島の地震で阪神・淡路大震災の経験が生かされた点と生かされていなかった点の指摘もありました。─堀本会長はプレゼンでどのようなお話をされましたか。堀本 主にD-Kometについてプレゼンしました。東灘区医師会がおこなったアンケートによれば、返答があった会員の医師158名のうち114名が阪神・淡路大震災当日より7日間の期間に救出や巡回診療、検死など何らかの医療活り組まれているという印象を受けました。災害時の医療提供体制の強化についてもお話しいただき、特に救護所の体制強化には神戸市医師会のD-Komet(災害時神戸メディカルチーム)も大きく関わりますので興味深く拝聴しました。─パネルディスカッションはどのような内容でしたか。堀本 まず神戸新聞社論説副委員長で長年震災について取材されている長沼隆之さんと私がプレゼンテーションをおこない、それを受けてキムラ緑子さんと久元市長を交えてそれぞれの立場でコメントするという形式でおこないました。ご神戸新聞社論説副委員長で長年震災について取材している長沼隆之さんは、ご自身の被災体験も交えながら、震災報道のあり方について語られた堀本会長は、主にD-Kometの活動についてプレゼンをおこない、医療機関同士や医療と行政の連携体制をより強固にすべきだと話されたキムラ緑子さんは、ご自身の阪神・淡路大震災の体験や洲本市にあるご実家の被災体験などのお話を交えつつ、市民の視点から、日常生活の中での災害への「備え」の大切さを語られた96
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