にもお祭り気分が高まりませんか?さらに、画面中央の西洋風の山高帽と花魁の笄の組み合わせが、黒船に乗ってやってきた外国と日本の幸福な出会いを象徴しているようです(万博にふさわしいのではないでしょうか?)。左のお兄さんのいなせな「祝」の字の被り物もハッピー(法被をまとっていいますね)。ところどころに登場する日の丸の旗の白と赤が、のっぺらぼうの顔の白とメインカラーの赤に対応して、画面にリズムを作っています。ザンバラ髪をまとめたヘアスタイルの青と緑も同様です。さて、この作品が作られたのは1966年。世界に目をやれば、イギリス、ついでアメリカでポップ・アートと呼ばれる美術のムーブメントが興隆していました。日常の生活用品やニュース、漫画、広告といった媒体の中に出てくる素材・モチーフを利用して作品をつくります。本作も、まさしく日本のポップ・アートの面目躍如ではないでしょうか?(学芸員・西田桐子)■神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1■TEL.078-262-1011■休館日:月曜(祝日・振休の場合は翌日)■開館時間:10:00-18:00(展示室への入室は17:30まで)兵庫県立美術館HYOGOPREFECTURALMUSEUMOFART岡田三郎助《萩》1908年 日本近代の油彩画、日本画も展示しています展示室113
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