く、どのように内視鏡治療をするのかは、ある程度、標準化されていますので病院によって治療に差はありません。ただし、病変が非常に大きな場合や非常に稀なケースで難易度が高いと予想される場合には、内視鏡を扱うにあたって特殊な技術や機器が必要ですので、大学病院に来ていただいたほうがよいケースはあります。―神大病院消化器内科の特徴は? 兵庫県内では最も先進的な医療を提供し、特に消化管の早期がんや胆膵疾患の内視鏡治療において安定した治療成績をあげ、他の医療施設から治療難易度が高い患者さんの受け入れが可能です。さらに、様々な研究で国内外から高い評価を受けるだけでなく、例えば兵庫県下の関連病院のデータを集め検証して患者さんの治療に役立てているのも神大病院の大きな特徴といえます。増田先生にしつもんQ.増田先生はなぜ医学の道を志されたのですか。A.きっかけになった美談があるわけではなく(笑)、なぜかと聞かれれば、やはり人の役に立ちたいと思っていたからでしょうか。高校生の頃は「学校の先生になろうかなあ」などとも考えていました。今となっては、大学で学生さんに教える先生の仕事をして、病院では患者さんのお役にも立てている。どちらもできているかなと思っています。Q.ご自身の健康法やリフレッシュ法があれば教えてください。A.旅行が好きなので、たまには普段と違う場所に行ってリフレッシュしています。大学では、消化器内科や胆膵疾患グループのメンバーはみんな仲がいいので、ちょっと疲れてきたら食事に行ったり、飲みに行ったりしています。私は、お酒は飲めないのですが雰囲気が好きで、一緒に楽しい時間を過ごしています。Q.病院で患者さんと接するにあたって心掛けておられることは?A.まず、患者さんに寄り添うことです。そして、患者さん一人一人に合わせて、絵に描いたり、図を示したりしながら、ご自身の状況をできるだけ分かりやすく説明し理解していただき、一緒に考えながら治療を進めていけるように心掛けています。Q.大学で学生さんを指導するにあたって心掛けておられることは?A.消化器内科の魅力を伝えられたらいいなと思っています。消化管や胆膵疾患などの内視鏡治療を実際に見て「ここまでできるのか!」と内視鏡にも興味を持ってくれて、消化器内科を志望する学生も増えてきているようです。Q.消化器内科、中でも胆膵疾患を専門にされた理由は?A.いろいろなことができる胃カメラに興味を持ったところから始まっています。小さながんでも早く見つける能力が求められますが、やり始めた頃に小さながんを見つけることが多かったので自分に向いているんじゃないかなと思い、診断から治療まで自分で完結することも可能な〝外科寄りの内科〟だというところに魅力を感じていました。早期発見、早期治療で回復した患者さんに「良かったですね」と言うときなどは、とてもやりがいを感じます。胆膵疾患は、特に治すのが難しい膵臓がんの診断・治療に興味を持っておりまして、まだまだ未知なことも多く、日々の診療、研究とやりがいを感じています。97
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