んと二人三脚で少しずつ自信と意欲を回復して、現在は就労支援施設に通っておられます。─ご本人からどのようなアドバイスがありましたか。元木 患者のご家族へは、受診しないといけないことは本人が一番わかっているので強引に医療機関に連れて行くような対応はだめで、心配のあまり行動制限をすることもかえって良くないということです。患者さんへは「認知症になってもいきなり何もできなくなる訳ではなく落ち込んでいる時間はもったいない。考え方を変え、早く元気と自分を取り戻しましょう」というメッセージがありました。また、認知症と認知症本人を正しく理解することの重要性や、認知症本人同士のコミュニケーションの大切さについても、患者本人だけがわかる気持ちや経験を交え語っていただきました。─ほかのパネリストからはどのような話題がありましたか。元木 川西市福祉部副部長の田中英之さんからは、必要な医療や介護が切れ目なく提供されるための情報共有ツール「つながりノート」の紹介や、川西市独自の認知症対策アクションプランの説明がありました。川西市では認知症患者が引き起こした損害の賠償をサポートする保険事業もおこなっているそうです。川西市医師会理事の木村紀久先生は、認知症患者を医療や介護へ繋ぐ川西市の認知症初期集中支援チームを紹介し、軽度認知障害や認知症を疑う症状がみられる場合はなるべく早くかかりつけ医に、かかりつけ医がいない場合は医師会や地域包括支援センターに相談しましょうとお話されました。─今年も市民フォーラムを開催する予定ですか。元木 11月に開催予定です。詳細は決まり次第、川西市医師会ホームページなどでお伝えしますので、ぜひご来場ください。認知症ちえのわネット3人のパネリストの一人、川西市在住の井上重實さんは、認知症を正しく理解することやコミュニケーションの大切さについても、患者本人だけがわかる気持ちや経験を交えて語った93
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