KOBECCO(月刊神戸っ子2025年5月号)
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(ジェヒョン)。「自分には予知能力がある」と、ジュヌに告げられるが、ジョンユンは半信半疑だった…》同映画祭で今作は観客賞を受賞。ヒロインを演じたパク・ジュヒョンが、最優秀賞にあたる俳優賞を受賞し、話題をさらった。原作となった同名のミステリー小説『6時間後に君は死ぬ』(講談社文庫)は、2007年に日本で刊行され、翌年、WOWOWのドラマWで映像化された。脚本は高野さんが担当している。■〝映画熱〟で結ばれた絆韓国での映画化は6年ほど前から企画が上がったものの、なかなか進捗せず、コロナ禍などを経て、2023年、ようやく動き始める。 「2023年5月、オーディションなどでキャスティングを行い、7月7日にクランクイン(撮影開始)しました」と語るイ監督にとって今作は、劇場公開される長編商業映画のデビュー作だった。7月下旬にクランクアップ(撮影終了)。「ジェヒョンにとっても映画デビュー作でしたが、彼は日韓で人気のK-POPグループ『NCT』のメンバー。厳しいアイドル界でダンスや歌などで鍛え上げ、トップスターとなっただけに、映画デビューとは思えない演技力を見せてくれた。安心して彼にこの難役を任せることができました」と語る。「元々、韓国映画のレベルの高さは理解していましたが、この映画を見て、監督の演出力もですが、ジェヒョンさん、パク・ジュヒョンさん、刑事役のクァク・シヤンさんたち俳優陣の演技力の高さに圧倒されました」と語る高野さんは、実は映画とは〝深い関係〟を持つ。作家デビュー前、日本映画界の重鎮、岡本喜八監督に師事し、米ロサンゼルスの大学で映画を学んだ後、脚本家などとして映画現場で〝修業〟を積んだキャリアを持つ。「小学2年の頃、母に連れられ、映画館で見たスティーブン・スピルバーグ監督の『激突』に衝撃を受け、小学5年のときに同じくスピルバーグ監督の『ジョーズ』を見て、映画監督になろうと決意しました」そう高野さんが明かすと、隣でイ監督が、「私は小学生の頃、スピルバーグ監督の『E.T.』を見て以来、映画に興味を持ったんですよ」と笑いながら打ち明けた。82

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