KOBECCO(月刊神戸っ子2025年5月号)
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re InformationKOBECCO催しもの情報谷崎潤一郎は、1965年、79歳で世を去る。当時としては珍しいほどの長命だった文豪は、終わりの時を迎えつつある晩年といわれる時期も長かったが、その間にも多くの名作・傑作・話題作を執筆し続けた。それは、作家として人としての人生の総決算であり、死への挑戦の営みでもあった。谷崎没後60年の春、文豪の「死へ挑んだ総括」の有り様を跡づける。芦屋市谷崎潤一郎記念館春の特別展 谷崎没後60年潤一郎、終活する―文豪谷崎 死への挑戦―トレアドルパンツの渡辺千萬子(棟方志功 木版彩色)谷崎最晩年の肉筆書簡(昭和38年 渡辺千萬子宛)■会期 6月8日(日)まで■会場 芦屋市谷崎潤一郎記念館(芦屋市伊勢町12-15)■時間 10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)■休館 月曜日(ただし5/5〈月・祝〉・5/6〈火・休〉開館、5/7〈水〉休館)■料金 一般600円、大高生400円、65歳以上300円、中学生以下無料■交通 阪神「芦屋駅」から南東へ徒歩15分■お問い合わせ TEL.0797-23-5852松本 奉山《ニューヨークの夕暮》1969年  大本山摩耶山天上寺蔵中島 節子《トリオ》 1956年神戸市立小磯記念美術館蔵松本奉山・中島節子の作品を特別陳列する。日本画家・松本奉山(1925-2010)は、今治市に生まれ、1938年に神戸市灘区に転居。渡米をきっかけとして作風を大きく変化させ、勢いのある独自の水墨画を制作した。題材は風景画、植物画、仏画にわたる。洋画家・中島節子(1924-1979)は、神戸市に生まれ、小磯良平に師事。1957年に新制作展新作家賞を受賞し、同展を主な作品発表の場とした。人体を大胆に簡略化、誇張して描き、安井賞候補ともなった。ほぼ同時代を生き、戦後に活躍の時期を迎えた両作家の抽象性の高い作風は、戦後美術の潮流と同期している。神戸にゆかりある女性画家二人の作品をたどり、その進取の気風を感じていただきたい。神戸市立小磯記念美術館特別陳列戦後神戸の女性画家二人展exhibition■会期 6月22日(日)まで■会場 神戸市立小磯記念美術館(神戸市東灘区向洋町中5-7)■時間 10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)■休館 月曜日(ただし5/5〈月・祝〉・5/6〈火・休〉開館、5/7〈水〉休館)■料金 一般200円、大学生100円、高校生以下無料■交通 六甲ライナー「アイランド北口駅」から下車すぐ■お問い合わせ TEL.078-857-5880art100

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