KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年4月号
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赤ちゃんやこどもの小さな体から成人の年齢まで、ほぼすべての手術を担う小児外科。「専門的な手術とともにフォローアップも大切」と話す尾藤祐子先生に、手術のことやその後のこと、小児医療の課題などお聞きしました。―小児科・小児外科の患者さんの対象年齢は?体のどの部分の手術や治療が小児外科で対象ですか。一般的には新生児から乳幼児、学童、中学生、おおむね15歳までが対象です。成人の臓器別の外科とは違って小児外科は胃や腸、肺、肝臓、泌尿器、生殖器、血管、気管など臓器の手術から体表の手術まで、脳と心臓を除く小児の臓器のほぼすべてが対象です。大学病院では、最先端の技術を使う手術ではそれぞれの専門医と小児の専門医が協力して治療を行うこともあります。これは幅広い専門領域で先進的な医療を提供している大学病院だからできることだと思います。―手術が必要な小児の疾患は主に先天性のものですか。先天性の疾患は多いですが、腫瘍や炎症性の疾患など、産まれた後にかかった病気の手術を行う場合もあります。神大病院小児外科では手術が必要な疾患のほとんどに対応できるような体制を整えています。―先天性の疾患にはどういうものがあるのですか。体の仕組みは胎児の時にお母さんの子宮の中で作られていきます。その過程のどこかで発生に異常が起きる場合が多く、例えば消化管では食道や小腸が途切れている「食道閉鎖症」や「小腸閉鎖症」、骨盤内の尿の通り道と便の通り道が分かれていく過程で異常が起きて肛門の穴が閉鎖する「鎖肛」などさまざまです。生後間もなく先天性の異常が見つかる場合や、発育の段階で臓器の働きに支障が起きて診断される場合もあります。―胎児の段階で見つかることもあるのですか。産婦人科の先生は妊婦検診神大病院の魅力はココだ!Vol.41神戸大学医学部附属病院小児外科尾藤 祐子先生に聞きました。80

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