KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年4月号
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尚先生でした。認知症の早期診断にはかかりつけ医への相談が第一歩なのですが、認知症が疑われる際の専門医や認知症疾患医療センターとの連携について紹介されていました。認知症の予防策については、質の良い睡眠、生活習慣病の管理、禁煙・適度な運動のほか、社会との関わりを持つことも認知機能の低下防止に効果的だというお話でした。─認知症のお薬が使われるようになったと報道で見ましたが。生島 認知症の進行を抑える新たな薬も登場していますが、認知症を「なくす」くすりではなく、あくまで早期診断が重要です。他の対策をおこなって初めて有効となるので、まずはかかりつけ医に相談し、認知症予防と適切な対応を受けた上で健康的な生活を維持しましょうとのことです。─5番目の講演はどのようなテーマでしたか。生島 最後は口腔衛生がテーマで、近畿中央病院歯科口腔外科部長の石井庄一郎先生が「健康生活は健口(けんこう)から」をテーマに講演されました。健康寿命を延ばすには、「おいしく食べる」「楽しく会話する」ことが重要であり、そのためには口腔の健康が不可欠と力説されていました。また、歯周病は動脈硬化や認知症などと関連することや、健康な歯の数や義歯使用と認知症発症や転倒との関連も報告され、観衆のみなさまも興味深く耳を傾けていました。さらに適切な口腔ケアが衛生と誤嚥性肺炎の発症率を低下させること、骨粗しょう症と口腔健康は密接に関係していることも紹介され、われわれ医師も歯科治療と医療との連携の重要性を再認識しました。─次回のフォーラムはいつ開催の予定ですか。生島 10月18日(土)に伊丹アイフォニックホールで開催予定です。現在準備を進めていますが、テーマなど詳細が決まり次第伊丹市医師会のホームページなどでお知らせしますので、みなさまぜひご来場ください。伊丹市医師会ホームページ続いて「認知症の予防と早期診断」の演題で講師を務めた、市立伊丹病院老年内科部長の伊東範尚先生最後の公演は「健康生活は健口(けんこう)から」がテーマ。近畿中央病院歯科口腔外科部長の石井庄一郎先生が、口腔衛生について講演した79

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