KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年4月号
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同書に託した未来へのメッセージをもうひとつ。《ぼくは宇宙ステーションや月面で生まれ育った子どもたちに期待しているのです》その理由をこう語る。《彼らは生まれながらに、宇宙での人間の小ささ、力を合わせていかねば生きられないこと、そして、人間がいちばん偉いのではないこと、眼下の地球に生きる動物も植物も人間も、みんな同じように生をまっとうし、子孫を生み続けていく生命体であるのだと、まっすぐに受けとめることができるように思います》「3年後の2028年、手塚治虫生誕100周年を迎えます。それに向けて今、様々なプロジェクトが進行中です。楽しみにしていて下さい」と手塚・名誉館長は語った。を得ないでしょう。若者の数が極端に減って、老人大国になるからです》そして、こう予測する。《もしかすると介護ロボットが活躍するかもしれません。超々性能の知能ロボットが、病院だけでなく、家庭や職場にはいりこんで、よいアシスタントをつとめるでしょう》と。この未来予測は今、日本の現実となりつつある。さらに〝秘話〟をもうひとつ、手塚名誉館長が笑いながら教えてくれた。「幼いころから父の想像力はたくましく、話す内容が〝途中から作り話になっていった〟と私の祖母がよく話していたんですよ」その日起こったことを治虫少年は母に毎日、話していたという。「祖母の喜ぶ顔を見て、父の〝作り話〟はどんどん飛躍していったそうです」幼いころの創作熱が、やがて『鉄腕アトム』や『火の鳥』など壮大なマンガやアニメの世界観へと広がっていく…。宝塚市立手塚治虫記念館第94回企画展手塚治虫 「ガラスの地球を救え」展会期:2025年3月1日(土)~2025年6月29日(日)開館時間:9時30分~17時00分(入館は16時30分まで)休館日:毎週月曜日(3月24日・31、4月28日、5月5日の月曜日は臨時開館)会場:宝塚市立手塚治虫記念館主催:宝塚市・宝塚市教育委員会後援:Kiss FM KOBE・エフエム宝塚問い合わせ:宝塚市立手塚治虫記念館 TEL:0797-81-2970(直通)手塚治虫公式サイト24

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