KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年3月号
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和室の設計・施工は、※平田建設(初代平田雅哉)である。宿の主人の駿川武志さんが淡交社(京都)にある※谷口吉郎設計、初代中村外二施工の茶室に感銘を受け、これを手本としたという。趣ある磨き北山杉の床柱、木目際立つ屋久杉に白竹をあわせた竿縁天井など陰陽のバランスが良い数寄屋造りになっており、家光の歌指南役を務め能書家としても知られた公卿、烏丸光弘の軸がさり気なく床の間に佇んでいるセンスの良さに感嘆。一方の「山茱萸」は75㎡ながら、大きめのウォークインクローゼットを備えスペースを有効に使えるだけでなく、明るさや天井高の変化を織り込んだ抑揚のあるプランニングで体感的にも広々と感じる。間接照明が癒しムードを醸すベッドルームは、起き上がると窓外の景色が見渡せる配置。ベッド周りは畳敷きで、素足のままで心地良く、奥にはカウンターデスクがあり、ワーケーションにも好適だ。山茱萸99

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