多田先生!素粒子物理学者の 宇宙物理学教室教えて 自然界で最も大きな存在が宇宙、そして最も小さな存在が素粒子と考えられている。素粒子を研究することで、宇宙のはじまり、人間の存在を解明する︱︱ 日本の誇りをかけて、その最前線で日々研究に打ち込む素粒子物理学者・多田将先生。この連載で謎に包まれた宇宙について多田先生に教えていただきます。さあ、授業のはじまりです!第18回から第20回まで、ビッグバン宇宙論の問題点についてお話ししました。問題があるならそれは間違っているのかというと、科学の世界ではそうはなりません。大筋では正しいことがはっきりしているわけですから、問題が解決できるよう、「修正」を行うのが筋です。今回は、その「修正」についてお話ししましょう。現在日本では、長すぎるデフレイションの時期を経て、インフレイションの時期に入っています。世界に取り残されたままずっとデフレであったためにその反動は大きく、物価高に辟易している方も、読者のみなさんの中にはおられるかも知れません。でも、世界を見回すと、日本ていどならインフレのうちに入らないと言えるほど、桁違いに高いインフレ率の国もあります。二◯◯八年のジンバブエのインフレ率は、なんと、三五五◯◯◯パーセントだったそうですよ。ところがっ!そんなものは問題にならないほどの激しいインフレが起こっていたことがあります。どこで? それはわれわれのこの宇宙全体で、です。そのときは、宇宙の大きさが一◯の三◯乗倍、つまり一◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯倍にも膨張しました。しかもそれが起こった期間は、宇宙が誕生してから◯・◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯一秒後から◯・◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯連載〜第21回〜 インフレイション64
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