る」という感覚です。日本人にとって〝表現〟をすることは難しい。だから、ヨーロッパの華やかな部分を目指してしまいますが、スケールが違いすぎて無理だと思うんです。逆にヨーロッパには日本人のインスピレーションを学んでいるシェフがとても多い。日本人が目指すべきは私たちの根本にある「禅」の心。そこで勝負していかなくてはいけないと思っています。―食材選びでも、日本のものを心がけておられるのですか。その場所にあるものを使うだけです。神戸ウォーターも、たまたまここにあったからお客様にお出しするお料理すべてに使っています。―神戸ウォーターを使う料理の特徴は?硬水ですから、出汁がよく出る軟水とは全く違います。その一方で、雑味を除くからでしょうか?食材が変わっても味が似通ってくるという感覚は幾分あります。それが料理の味の幅を広げることにつながっているという面もあるかもしれません。―福本さんにとっての神戸の料理とは?見つけようとしているのですが、いつも思っていたことがひっくり返ってしまう(笑)。それが見つかれば、「ヨーロッパで学んできたことを活かしてこの土地で自分の料理としてどうすればいいのか?」「地元のものに限らず各地のいろんな食材をこの土地でどう料理すればいいのか?」が分かると思いますが、まだ疑問「コンソメの素材に神戸ビーフを使ってほしい」と巽先生が福本さんにリクエストした41
元のページ ../index.html#41