凝縮し、澄んだ美味しいスープができます。以上2点をご理解いただくと、神戸が和食と洋食の両方を提供できるまちだと納得していただけると思います。「灘の酒」と「神戸の食」のマリアージュ神戸・阪神間の平野部「灘」では中硬水・硬水が湧き、「宮水」と呼ばれています。水の特性が酒造りの過程のどこで効いてくるかというと、まず麹菌が出す酵素を活性化するのがカルシウムや塩素ですから、宮水を使うと作用が活発になりお米の成分を十分に活用できます。リン、マグネシウム、カルシウムは発酵を促進します。日本酒の歴史を見ると、濃醇甘口から淡麗辛口に移ってきた中で、灘五郷の酒は濃醇辛口という特有の味わいを維持し続けている理由は宮水にあります。神戸だから可能な食と灘の酒のマリアージュは非常に魅力的で、その背景には特異な地形と水があり、地質があります。これを理解したうえで、トータルブランディングが大事だと思います。巽先生の講演を終えて、外国人参加者から多くの質問が飛んだ39
元のページ ../index.html#39