で五家にわたって引き継がれてきました。江戸時代は樽廻船で大量に江戸に送られる「上り酒」の中でも特別な人気を博しました。明治維新後は伝統の製法を守るため妥協を許さず、結果、会社を潰してしまったという逸話もあり、剣菱の味は頑固に守られてきました。昭和に入り、五家目・白樫家が伊丹から灘五郷に蔵を移し仲間入りをすることになりました。現在、剣菱では社会貢献に取り組んでいます。障がいのある方へ金銭的ではなく、働く場の提供という形でサポートをしています。また、やめられる農家さんの田んぼを引き受けて米づくりを続けています。木材を使う桶や酒樽づくりを自社で行い、全国の酒樽の10%以上は剣菱で作っています。樽を縛る菰をはじめ藁縄づくりを継承し、職人の育成に努めています。日本酒を飲んでいただいたら、自然環境保護と日本文化の保護ができ、障がいのある方の働く機会を増やすことができる。剣菱は循環型企業を目指しています。ふだんは非公開の剣菱酒造の酒づくりを学ぶ「醇則質質則不渝」は剣菱を愛した頼山陽の教えでもある37
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