KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年3月号
25/148

涙を流す聴衆は増え、会場中に広がっていった…。歌い終わった二人が、「やっぱり良い歌には理由がありますね」としみじみと聴衆に語りかける充実した表情が印象的だった。運命の再会二人はともに1976年、兵庫県高砂市で生まれた。ともに幼いころから歌うことが大好きで、「小学4年生から6年生まで、地元の同じ高砂市児童合唱団に入っていました。こじまさんは、そのころの私のことをよく覚えていないようなのですが」と、おのが笑いながら明かす。二人が再会したのは今から30年前の1995年。地元の高校を卒業後、専門学校・甲陽音楽学院(現在の「神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校」)に入学したときだった。こじまはプロミュージシャン次々と披露。いずれも二人の思い入れの強い曲ばかりだが、2023年に61歳で急逝したKANの『愛は勝つ』を歌い始めた瞬間。会場を埋めたファンが涙を流し始めた。ピアノを演奏しながら歌う二人の目も真っ赤になっていた。涙をこらえるようにして搾り出される渾身の混声にことができたら……」と二人は〝歌うことの責務、覚悟〟をかみしめるように語った。このコンサートではカバー曲も披露された。シンガー・ソングライター、KANのヒット曲『愛は勝つ』、石川さゆりがSAYURI名義で歌った『ウイスキーが、お好きでしょ』など、往年の名曲をこじま いづみ1976年4月6日生まれ。兵庫県高砂市出身。ソロでのライブ活動もしつつ、水曜日に不定期でカフェ『スイコジ』を営業。防災士/音楽療法士資格あり。25

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る