KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年3月号
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1995年1月17日早朝に発生した阪神・淡路大震災は神戸を中心とした地域一帯に甚大な被害を及ぼしました。兵庫県立近代美術館が開館して25年、四半世紀を迎えようとしていた時期でした。建物だけでなく展示あるいは保管中の作品が落下、転倒し、美術品も大きな被害を受けました。あれから30年―その間県立近代美術館は2002年に現在の地に移転、兵庫県立美術館と名称を変え文化の復興のシンボルとして、展覧会を中心とするさまざまな事業をおこなってきました。30年目を迎える本年、当館では震災30年を考える特別展「1995⇆2025 30年目のわたしたち」、注目作家を取り上げ紹介するアニュアル企画「チャンネル15〈艀はしけ〉」を開催していますが、コレクション展でも震災をテーマとした作品を展示しています。福田美蘭の《淡路島北淡町のハクモクレン》は、ある報道写真を起点に制作された作品です。瓦礫の中に残った1本のハクモクレンの木。その枝には「この木を残してやって下さい」というメッ福田美蘭《淡路島北淡町のハクモクレン》2004年 アクリル・カラー写真、板けんびの『美』連載vol.4復興への願いをこめてコレクション展Ⅲ阪神・淡路大震災30年「あれから30年-県美コレクションの半世紀」兵庫県立美術館 常設展示室■会期 4月6日(日)までコレクション展Ⅲ会場風景14

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