KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年3月号
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いろいろな場面で橋渡し的な役割を担っているという神大病院リハビリテーション科。どういうことでしょうか?その役割や小児のリハビリテーションのことなど原田理沙先生にお話を伺いました。―神大病院のリハビリテーション科を受診するのは難しい病気の患者さんですか。基本的には大学病院で治療や手術が必要で各診療科に入院しておられる患者さんが対象です。リハビリテーション室や病棟で理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の指導の下、リハビリを行っておられます。退院後の患者さんは地域の回復期リハビリテーション病院などの医療機関などに引き継ぐことになるのですが、進捗状況や体の状態を定期的に確認するために受診している方もおられます。また、リハビリ専門医が担当する装具外来や、痙縮と呼ばれる体のこわばりの治療のために受診される方もおられます。―どんな疾患で入院している患者さんがどのようなリハビリを受けているのですか。がんなどの手術を受けた患者さんをはじめ、心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患など非常に幅広い領域です。どんな治療や手術の後のリハビリにも共通する部分があり、大きく3つに分かれます。一つが体全体の動きに関わる理学療法です。手術後、ICUに入られた患者さんの場合はベッド上での筋力訓練や関節可動域訓練、体を安定させる座位訓練、立位訓練、歩行訓練へと進みます。呼吸器を外す際、自力で呼吸をするための訓練も理学療法の範疇です。言語聴覚療法には、言葉が喋りづらい場合の言語訓練や食べ物が飲み込みづらくなっている場合の嚥下訓練、また、失語からの回復が難しい場合の代替コミュニケーション手段の訓練などがあります。手や指のまひによってやりづらくなった机上での動作訓練や利き手がまひしてしまった方の利き手交換訓練などといった、日常生活の回復に直結するのが作業療法です。―リハビリは早期に始めるほど効果的なのですか。神大病院の魅力はココだ!Vol.40神戸大学医学部附属病院リハビリテーション科原田 理沙先生に聞きました。106

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