『セプテンバー5』『空気が静かな色をしている』今月の映画と本原題:SEPTEMBER 5監督•脚本:ティム・フェールバウム『HELL』『プロジェクト:ユリシーズ』出演:ジョン・マガロ『パスト ライブス/再会』ピーター・サースガード『ニュースの天才』レオニー・ベネシュ『ありふれた教室』、ほか製作:ショーン・ペン『ミスティック・リバー』配給:東和ピクチャーズ©2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.2025年2月14日(金)OSシネマズミント神戸ほか、全国公開!『空気が静かな色をしている』著者:高山なおみ定価:1,760円(税込)アノニマ・スタジオ(KTC中央出版)平和の祭典であるはずのオリンピック。その真っ最中に起きたパレスチナ武装組織によるテロ事件を、アメリカのスポーツ番組制作チームの視点から描く。1972年のミュンヘン。人質はイスラエル選手団11人。事件当日、チームは選手村の異変に気づく。突然の攻撃をどう伝えるべきか。彼らは悩む間もなく、スポーツから国際政治の報道に切り替える。報道する意味はあるのか、責任はどこにあるのか、倫理的、道徳的にはどこまでOKか。正解が見えない中、緊迫したコントロールルームで、彼らはジャーナリストであろうとする。メディアの役割とは何か。現代ならどうするだろう。作品を観ている私たちは、生放送を見ている視聴者と同じく、報道する彼らからの情報しか知らされない。現場はどうなっているのか。スピルバーグの『ミュンヘン』を観なおしたい。知らない誰かの“好きなもの”が楽しげに並ぶInstagramを見て、「写真や日記に残すような毎日を送っていないな」と思ったのは10年ほど前。高山なおみさんのエッセイを読み始めたのは、それから少し後のことだ。そのエッセイは、見たことや感じたこと、一緒に過ごした人との会話、毎日のごはんなどが綴られた高山さんの日記。空や草花、鳥、野菜、人。誰の日常にもあるものを流してしまわずに、丁寧に向き合う。そうしていたら、何もないと思う毎日でもいろんなことを感じたり、好きになったりできるのか!と、丁寧じゃない自分の暮らしを反省した。最新刊は、人気の「日々ごはん」シリーズをリニューアルしたもの。ブックデザインは脇田あすかさん。ぜひ、手にしてほしい。1972年ミュンヘンオリンピック“テロ”生中継を担ったチームの姿を描く毎日食べるごはんのように料理家で文筆家、高山さんの日記公式サイトはコチラtext.田中奈都子104
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