KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年1月号
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さで順位を決めた。審査票には各審査員のコメントを書き込む欄を設け、選手が審査員からアドバイスを得られるようになったのも今回初の試みだ。約2時間の集中審査を経て、受賞作品が決定。作品のレベルは年々向上。特に甘味だけでなくサレ(塩味)が新登場したクーロンヌ・デ・ロワ部門を、栗原氏は「過去最高の出来」と絶賛。ビゴ氏は「甘味が贅沢とされた昔と違い今は飽食の時代。ヨーロッパにはない塩味がユニーク」とし、西川氏は「ガレットは食後のデザート、サレは前菜として日本独自の食文化を提案できる。今回はフレンチの料理人にも参加してもらい、新たな世界観を創造できた。次は中華の料理人にも声掛けするなど挑戦の場を拡げ、需要喚起に繋げていきたい」と抱負を語った。審査員を代表して林氏は美味しさの基準は個々で考えが違うため、大人数で審査をして平均点で順位を決めるのは公正を期していると思うと述べたうえで「フランスとは材料も異なり、製作が難しい日本で、パティシエもブーランジェも年々レベルがアップし、作品のバラつきがなくなってきている。レイエ(柄・模様)も綺麗で、美味しいものがベストではあるが、シンプルで作りやすいという視点も大切」と審査講評を述べた。審査終了後、意見交換会も。ビゴ氏は「ガレットはアーモンドクリームの量が多い。フランスのシンプルな仕様から外れているのが残念」とコメント。他の審査員からも今後のコンテストとしての基準について多様な意見が出た。また審査員の指摘は選手にとってこれからの目標になる。本人と対面の場を設けてもいいので一つ一つ試食して審査技術、味覚、視覚を確認「サ・マーシュ」西川功晃氏「モンプリュ」林 周平氏76

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