KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年1月号
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をつけていかなくちゃいけない。それがしんどさにもなるけれど、希望もあると思うんです。Q.監督も灯という人物を探りながら?そうですね。この映画を作る際にもらったお題は「神戸」「震災30年」「心のケア」だけでした。まずはどんどん詰め込んで膨らませて、そこから「何を伝えたいんだろう」と考えながら、削ぎ落として、磨いていった感覚です。磨く作業をしていくうちに、言い方は難しいけれど、“1人の女性の気持ち”を描いた、すごくシンプルな話が見えてきました。設定上は色々あるけど、心にしんどさを抱えた女性が、ちょっとだけ踏ん張って半歩前に進んだよ、という話です。Q.キーワードは「呼吸」?心のしんどさが呼吸のしんどさになると考え、灯がしっかりと呼吸ができるようになっていく物語にもなりました。呼吸のリズムをすごく意42

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