KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年1月号
38/148

エーター、デザイナー、DIY志向の一般市民が参画するまちづくり、市街地、海、山、里山など多様な顔を持ち多様な資源がある強みを生かして時代にふさわしいまちづくりをやろうと〝街場の建築家〟たちが動き始め、神戸市もこれを支援しています。楽しく暮らせるエリアが都心近くにたくさんある神戸久元 郊外にニュータウンを造ると売れる時代は広々とした一戸建てに住むことがステータスでしたが、次第に郊外から都心へ、一戸建てからマンションへと居住志向が変わってきました。流れに任せた方が良い、駅前のタワーマンション規制は人口増加につながらないなどという考え方もあります。流れに任せると三宮駅前にはタワーマンションが林立し、結果的に大阪のベッドタウンになる。これが神戸市民の望むまちの姿なのでしょうか。三宮駅周辺では市民や他所から来た人たちが楽しく過ごし、居住地と商業地のバランスが取れたまちづくりをしたいと考えています。松村 いろいろな考え方があると思いますが、守るべきもの、見定めるべき将来の方向性は当然あり、まちづくりを完全に市場に委ねるわけにはいきません。神戸は特徴と伝統のある居住エリアがたくさんあり、三宮まで出てくるのに大した時間はかかりません。大阪へ仕事に行く人が神戸の都心に暮らす?住んで楽しいエリアが他にたくさんあるのに?余計なお世話かもしれませんが、そんな疑問がわいてきたりもします(笑)。 近隣の都心に比べて幾分地価が安い三宮駅前にマンションを造ればある程度の人は集まるでしょう。しかし、神戸の将来と市民の暮らしを考えると三宮中心部はある程度制限を設け、オフィス、商業、文化エリアとするのは良い方向性だと思います。新たな産業創出には、あらゆる場面での連携と融合が重要久元 震災で壊滅的な被害を受けた神戸で都市の成長を考えると、伝統的なものづくり産業を大事にするのと同時に違う分野の産業育成も必要です。ポートアイランドで始まった神戸医療産業都市構想では、お陰さまで約360の企業・団体が集まり日本を代表するバイオメディカルクラスターになりました。今までのものづくりとバイオメディカルが融合した好事例が川崎重工とシスメックスが共同で設立したメディカロイドが開発した国産初の手術支援ロボットです。国からの支援を受け、さらに進化させようとしています。そして、理化学研究所をはじめ、先端医療を担う病院群、神戸大学、甲南大学、兵庫県立大学などの研究機関が次々立地をしたことで、産業構造がより時代の変化に対応できるものになりました。その中でも近年、大学内で研究領域・分野の融合が進んでいます。産学官連携によっ38

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る