KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年1月号
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対する避難計画作成が必要ですが、これらの対策で神戸の災害に対する安全性は飛躍的に高まってきています。松村 震災で一番の問題になったのが築数十年以上たった古い木造の建物が倒壊し、これにより火災も発生して多くの方が亡くなる原因になったことです。その後、日本全体で木造建築の研究が進み、現実的な基準もでき耐震化のための補助金制度も拡充されました。震災後に新築された建物は施工不良や手抜き工事がない限りは大きな被害を受けることはないと思います。震災で一度建物が壊れてしまった神戸は今、更新された状態ですから耐震性の水準は高いと言えます。地元の資源を活用し、適材料を適所に使うまちづくり久元 昨年7月、シンポジウム「三宮の未来を考える」で隈研吾先生のお話をお聞きしました。隈先生はコンクリートや鉄一辺倒ではなく木材を使う建築を志向されておられます。神戸市のタワーマンション規制についても一定の評価を頂きました。神戸のまちづくりの方向性「人間らしいあたたかいまち」を目指すのであれば、ぬくもりが感じられ人にやさしい建築物が構成する都市計画が求められます。松村 木造建築、あるいは木をできるだけ使う建築は日本の山の問題と直結した事柄として、また最近はCO2削減としてとらえられています。鉄やコンクリートが「悪」とは言いません2024年7月、「「神戸三宮の未来を考える」をテーマに三宮センター街2丁目商店街振興組合が開催した隈研吾さんのシンポジウム36

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