KOBECCO(月刊神戸っ子)2025年1月号
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まだ夢の途中「幼いころからアイドルに憧れていました」と言う。「当時の私のアイドルですか?AKB48の板野友美さんです」夢見たアイドルになるため、大阪を拠点に活動する人気アイドルグループNMB48のオーディションに高校1年のときに応募し、合格。16歳でデビューした。アイドル活動の一方、大学受験に挑み、合格。そして2022年、小説『アイドル失格』で作家デビューを果たした。デビューのきっかけは、吉本興業と出版社が企画する『作家育成プロジェクト』に自ら応募。厳しい審査を突破して小説家デビューの切符を手にした。「実はアイドル同様、小説家になることも幼い頃からの夢だったんです」と明かす。「もの心ついた頃から読書好きで、小学生の頃には年間100冊以上の本を読んでいました」と話す。「図書室にあった児童文庫はほぼ読みました。小学3年生のときに湊かなえさんの『贖罪』を読んで衝撃を受けました」〝イヤミスの女王〟と呼ばれる湊のミステリーは「両親の本棚にあった」と言うが、小学3年生には難解だったはず。「辞書を引きながら読みました」というから、いかに早くから小説家を志し、知識を積んで育った読書家だったかが伺える。現在、経済学部で学ぶ大学4回生。今春卒業予定で、卒業論文のタイトルを聞くと『新NISAの今後の立ち位置』と教えてくれた。この卒論の文字数は計1万文字。原稿用紙で25枚の分量だ。同級生の多くが〝人生初〟の長文に悪戦苦闘する中、「小説は文字数にして計約8万文字。原稿用紙で200枚以上書いていたので、1万字を書くのはあっという間でしたよ」と余裕の『アイドル失格』1,650円(本体1,500円+税)    KADOKAWA30

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