尿病のある方に手術という侵襲が加わると血糖値がさらに上がり傷が治りにくく、感染症を起こすリスクも高まります。他の診療科から依頼を受けて術前・術中の血糖コントロールを行うことも糖尿病・内分泌内科の役割です。―合併症のある患者さんや症状が重い患者さんが大学病院を受診するのですか。大学病院ですから専門性の高い治療は行っていますが、一般の患者さんが受診できないというわけではありません。糖尿病や肥満症の治療が思うように進められない患者さんにはチーム医療で対応します。原因が分からない体調不良に悩まされているのであれば専門的な検査を受けることも可能です。広く門戸を開いていますので、ためらわずに受診していただきたいと思います。廣田先生にしつもんQ.廣田先生は何故、医学の道を志されたのですか。A.私が中学生になったころ、父が腎臓の病気で透析を始めることになりました。その様子を見て、人の助けになる仕事ができたらいいな、お医者さんがいいかなと思うようになりました。Q.廣田先生の健康法やリフレッシュ法は?A.普段、忙しい生活をしていると特別な運動をするのはむずかしいのですが、意識しているのは「歩くこと」です。できるだけ歩く量を増やして、食事の量にも少し気を使って体重をキープするようにしています。リフレッシュ法は、今のところは週末に子どもと遊ぶことかな。子どもの成長を見ることをとても楽しみにしています。Q.病院で患者さんに接するにあたって心掛けておれることは?A.糖尿病は食事療法や運動療法、インスリン注射など、患者さん自身の管理が重要な病気です。患者さんと会話しながら、病気のことだけでなく、一人一人の背景まで理解した上でそれぞれに合った方法を見つけ、ご自身でうまく管理できるようにサポートしてあげたいと常々考えています。Q.大学で学生さんを指導するにあたって心掛けておられることは?A.糖尿病は全身を診る病気ですから、会話をしながら患者さんの心と体を理解できるようになってほしいという思いがあります。その一方で、複雑な病態を見極めて正しい対応ができるように基本的な部分もしっかり勉強してほしいと思っています。Q.糖尿病を専門にされたのは何故ですか。A.実際にお医者さんになり、糖尿病や消化器疾患などいろいろな内科的な病気の診療をする第二内科に入りました。患者さんの診療や研究をするうちに糖尿病への興味が深まってきました。糖尿病は基本的には治ることがない慢性疾患です。合併症も含めて全身を診ながら、患者さんが病気とうまく付き合っていけるようにサポートするのが医者の役目で、患者さんと私たち医者も長いお付き合いになります。そういうところにやりがいを感じました。97
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