─前立腺肥大症とはどのような病気ですか。寺尾 前立腺が大きくなることで残尿や頻尿、排尿の勢いが弱い、尿が出にくいなどの症状がおこるもので、組織学的には50代の4割、60代の7割、70代以上の8割ほどと罹患率の高い病気です。治療は通常、お薬を使いますが、瀧内先生はよく使用されるお薬についてその効果や効くメカニズムなど詳しく解説されていました。病状によっては手術治療も必要ですが、最新の内視鏡手術についても画像を交えながら紹介されていました。ほかに、温熱・高温度治療や水蒸気治療などの低侵襲治療についても解説されました。─高齢になると多くの男性が悩まされるようなので、注意が必要ですね。寺尾 お薬で改善するケースも多いので、気になったら泌尿器科の診察を受けましょう。瀧内先生もおっしゃっていましたが、まさに「悩むより受診を」です。気や磁気で刺激を与える神経変調療法という方法もあります。いずれにせよ医師の診察を受けることが大切です。新開先生は最後に、「『恥ずかしくない』、『痛くない』検査でほとんど診断がつきますよ。『周りと比べて』ではなく、ご自身がどう感じているかが一番大切なポイントです。『いつもと違う』『ちょっと気になる』 を一つずつ解決し、充実した毎日を送りましょう」とメッセージを送っていました。─第2部はどんなお話でしたか。寺尾 たきうちクリニック泌尿器科院長の瀧内秀和先生に、「前立腺肥大症に起因する排尿トラブル」をテーマにお話いただきました。男性と女性の大きな違いは前立腺があるかないかですが、講演は前立腺とは何かというところからスタートし、前立腺肥大症の症状、診断、治療について順番にわかりやすく解説してくださいました。また、最後に過活動膀胱についてもお話されました。─講演の後に質疑応答はありましたか。寺尾 今回はテーマに「相談室」とありますので、質疑応答にも力を入れました。事前に質問を受け付けてそれに答えるスタイルでおこない、たくさんの質問が寄せられました。時間の都合でほんの一部の質問にしか答えられなかったのですが、せっかく寄せていただきましたので、会場でお答えできなかった質問に関しては、西宮市医師会のホームページで回答を掲載しています。─来年もフォーラムを開催しますか。寺尾 もちろん開催する予定です。テーマについては今回の会場でいただいたアンケートを参考に検討していきます。詳細が決まり次第、西宮市医師会ホームページなどでご案内しますので、ぜひご来場ください。93
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