KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年12月号
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の場合は二次元)です。この物体の質量が大きいほど、トランポリンの表面、つまり空間は大きくたわんで、曲がってしまうのです。これをもっと物理学的に定量化したものがアルベルト=アインシュタインの一般相対性理論で、それを表わした式が、第11回でご紹介したアインシュタイン方程式なのです。それを再掲します。右辺が質量(あるいはエネルギー)を表わす項で、それによってどれくらい空間が曲がるかを示す項が左辺です。この「トランポリン」は、実は少々くせがついていまして、物体を取り除くと反対側に反り返ってしまいます。「トランポリン」を平らにするには、あるていどの質量のある物体で押さえてやる必要があります。この質量は、「トランポリン」が大きければそれを押さえつけるのに必要な量も大きくなるので、「トランポリン」の大きさ、つまり空間の体積でその質量を割った値、るこの地球の表面を考えると、球の表面、球面になっています。球面は、一定の割合の曲率で曲がっていて、くるりと一周つながっています。一方向にまっすぐ進むと、もとの位置まで戻ってきます。また、ある地点から見渡せる範囲が限られています。「地平線」の向こうは見えないのです。このように、平面とはずいぶん違っています。それでは、その空間が平らか曲面かは、どのようにして決まっているのでしょうか。実は空間というものは「かたい」ものではなく、ゴムのように伸び縮みする、「やわらかい」ものなのです。そして、その伸び縮みの具合は、空間に置いた質量(あるいはエネルギー)によって決まります。イメージとして、トランポリンのような伸び縮みする素材(ゴム)を張った上に、質量のある物体を載せた状態を思い浮かべてみてください。トランポリンの表面が空間(こ67

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