KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年12月号
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の有名人。経営危機から遊園地を立て直した名物社長だ。各章ごとに、社長秘書や清掃スタッフなど遊園地の様々な部署で働く人たちが登場。遊園地で起きる日常が綴られる。「実は大好きな遊園地をテーマにした小説をずっと書きたいと思っていたんです」書きたい理由は明確だった。「遊園地で働いている人たちが、みんな仕事に熱心で、何よりも、みんな楽しそうに働いていたから」何度も『ひらかたパーク』を訪れ、スタッフたちを取材し話を聞いた。大勢の人々が集う遊園地。そこでは日々、様々な人生模様が展開する。大勢のスタッフで運営する遊園地ならではの群像劇は社会の縮図のようでもある。「なかなか小説では描かれないような職業や、そこで働くふだんは目立たない人たちを描きたい」デビュー間もない頃に寺地さんを取材したとき、そう語っていたのが印象的だった。雑貨店を舞台にしたデビュー作『ビオレタ』(2015年)や、古い宿泊施設を舞台にした『ミナ『雫』 「今日が雨でよかった」―時を超え、かたちを変えて巡る、“つながり” と再生の物語。 1,870円(税込) NHK出版『ほたるいしマジカルランド』そこには、なんのためにもならない“豊かなもの”があります。いま最注目の書き手が贈る、汗と涙と笑顔に溢れたお仕事小説。1,760円(税込) ポプラ社27

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