まずは兵庫津ミュージアム名誉館長の田辺眞人先生による特別レクチャー「歴史で語る瀬戸内クルージング」が。今回のクルーズで運航する客船「バイキング・エデン」にちなんでバイキングのルーツを解説し、ナホトカ航路やタスマン海横断、カリブ海クルーズなど先生自身の船旅の思い出も語りつつ、話はいよいよ今回のクルーズでも経由する瀬戸内航路の話題へ。道路のない時代に水上交通は重要な交通路で、外洋の風が入り込まずおだやかな瀬戸内はいにしえより「文化を結ぶ最も繁栄した交通路だったんです」と田辺先生。そんな瀬戸内航路の終点は大阪湾東岸だが、ここが一番波が高かったので「浪なみはや速」とよばれたが、これが転訛して「難なにわ波」となったとか。もちろん兵庫湊についても。奈良時代は大おおわだのとまり輪田泊とよばれ、浪速津のひとつ西の停泊地だったが、平安時代になると浪速津の土砂堆積や平安遷都による航路のシフトにより大輪田泊の重要性が高まり、平清盛が福原遷都をおこなって繁栄、鎌倉時代になると停泊地を表す「泊」からターミナルを意味する「津」となり、兵ひょうごのつ庫津として内海航路の要港にとなったという。そして最後に、瀬戸内の多島美来たる12月28日(土)から年明け1月4日(土)にかけて、神戸港発着で「瀬戸内海と新春の西日本を巡るニューイヤークルーズ」が催行されるが、それに先だち9月21日に兵庫県立兵庫津ミュージアムにてその説明会が開催された。年末・年始 瀬戸内~釜山クルージング神戸港発着8日間の説明会開催瀬戸内海航路の歴史を解説する田辺眞人名誉館長スライドや映像を交えてクルーズの魅力を78
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