KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年11月号
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とてもうれしくて」と語る。コンサート活動などに加え、島田にとって主戦場の一つが、ミュージカルの舞台だ。今年がラストイヤーとなる、Kinki Kidsの堂本光一主演の人気ミュージカル『Endress SHOCK(エンドレス・ショック)』には2022年から連続で出演した。7月の大阪・梅田芸術劇場での公演を観劇したことを伝えると、「あの舞台で、実は大学の教え子が3人、一緒に出ていたんですよ」と教えてくれた。現役の大学教授として、自分が育てた年齢の離れた教え子たちとプロの舞台の上で再会し、共演する―。教えながら、自らミュージカルを演じる、まさに演劇界の〝プレーイング・マネジャー〟の役割を果たしている姿に、デビュー50年の歴史の重みを垣間見た思いがした。さらに続けた〝公演秘話〟に驚かされた。7~8月の大阪でのロングラン公演中の舞台裏での、その秘話とは…。「実は休演日の度に、アルバムのアレンジ作業のために、大阪を離れ、東京へ戻っていたんですよ」島田は光一演じるエンターテイナーが所属する劇場のオーナーという重要な役で舞台に立つ一方、11月20日に発売される50周年記念アルバムの制作準備を並行して進めていたのだ。「休演日といっても、ちっとも休みではないですよね。結局、自宅ではアレンジ作業だけでなく、家事もやらざるを得ないですからね」と笑う。アルバム制作秘話記念アルバムのタイトルは『Kaho Shimada Sings DISNEY』。50年目の節目に島田が選んだアルバムのテーマは〝ディズニー〟だった。実は、島田とディズニーとの縁は長く、深い。その縁を示すひとつがこれ…。2003年、東京ディズニーシーのスペシャルイベント『キャンドルライト・リフレクションズ』のクライマックスで、名曲『ウェルカム・トゥ・クリスマス』が流れる度に、連日、ショーは絶頂の盛り上がりを見せていた。「あの歌はいったい誰が歌っているの?」と話題を呼んだ、その歌い手こそが島田だったのだ。また、2017年に大ヒットしたディズニーの実写版映画『美女と野獣』や、2018年『メリー・ポピンズ・リターンズ』の日本語の吹替版などで島田は声優を務めている。さらには、舞台版『メリー・ポピンズ』の日本初演、再演にも、バードウーマン、ミス・アンドリューの二役で出演した。「今回、50周年を迎えるに際し、もう、アルバムのテーマはどれもやり尽くしたという思いがあって、テーマ選びはとても迷いました」そう島田が打ち明けるのも無理はなく、デビュー以来、今回でアルバムは通算28枚を数える。そこで思い浮かんだのが、18

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