KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年10月号
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『ベルナデット最強のファーストレディ』『八犬伝』今月の映画監督:レア・ドムナック脚本:レア・ドムナック、クレマンス・ダルジャン 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、 ドゥニ・ポダリデス、ミシェル・ヴュイエルモーズ原題:Bernadette後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本©2023 Karé Productions - France 3 Cinéma - Marvelous Productions - Umedia2024年11月8日(金)全国ロードショー原作:『八犬伝 上・下』 山田風太郎(角川文庫刊)監督・脚本:曽利文彦出演:役所広司、内野聖陽、土屋太鳳、渡邊圭祐、寺島しのぶ配給:キノフィルムズ©2024『八犬伝』FILM PARTNERS.2024年10月25日(金)全国ロードショースクリーンに登場するカトリーヌ・ドヌーヴを待つファンは、デビューから60数年、世界中で増え続けているだろう。いくつになっても主演作品を用意する映画界も、それに応えどんな役柄でも魅力的に演じる俳優も、どちらもすばらしい。今回は、彼女だからこそ!といえる、実在のファーストレディ・ベルナデットを演じた。実際にベルナデットと親しかったカール・ラガーフェルドの衣装を着こなし、それはそれはかっこいい!ベルナデットは、夫と同じように教養をもちながらも、自らは影となり支え続け、1995年、夫・シラクは大統領に就任する。が、その途端、彼女は用済み、仕事は与えられず、敬意もなかった。大半が実話という男尊女卑の仕打ちに腹が立つが、彼女は復讐を決意、仕事も人気も得ることになる。大統領が嫉妬するほどに。監督がこの物語をコメディにしたのは、「メッセージを伝えたい時こそユーモアが大事」とベルナデットに学んだから。肝に銘じよう、復讐は笑顔で。『南総里見八犬伝』から着想を得た作品は驚くほど多い。漫画、映画、舞台、歌舞伎…。江戸時代に書かれた物語に、クリエイターはなぜこんなにも惹かれるのか。今作を観ることで、早く楽しく理解できると思う。原作は、106冊の長編を「虚」と「実」の世界に書き分けながら創作した、山田風太郎の小説。馬琴を演じるのは役所広司。しかめっ面の堅物が語るファンタジーに目を細め、下絵を描くことで創作の力となる絵師・北斎に内野聖陽。物語を紡ぐ2人のやりとりが軸となり「実」の物語は進む。一方、剣士8人が、悪者退治に向かう八犬伝は「虚」の世界として描かれる。失明しても創作を諦めなかった馬琴だが、一度だけ筆を止めている。『東海道四谷怪談』の作者・南北との議論後のことだ。正解のないテーマに生涯向き合った作家の信念は、物語に宿っているのだろう。それを受けたクリエイターがまた世に問うている。自分を解放し道を開いたシラク大統領夫人の華麗なる復讐悪が蔓延る時代に正義を描いた滝沢馬琴が遺したかったこと公式サイトはコチラ公式サイトはコチラtext.田中奈都子96

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