KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年10月号
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された「神戸よ」は、京都に滞在していた陳さんが新聞社へFAXしたがエラーが起こり、やむなく張さん宅を経由して入稿したというエピソードも披露した。加藤さんからは、幼少期から生田の森に抱いていた郷愁や、江戸川乱歩賞受賞直前に鞄の取っ手が切れたことを「職業を変えろという生田の神の暗示」と受け止めたことなど、陳さんと生田神社の深い絆について述べるとともに、「お願いしたら〝酒も呑まずに書けるか〟と4合も飲んでから筆を執ったんです」という直筆の書がステージに飾られた。対談の合間には今回の企画の〝仕掛け人〟、マキシンの渡邊百合社長も陳さんとの交流について語るなど、和気藹々のムードの中で思い出話に花が咲く。その後、参加者たちは温厚で誰からも愛された陳舜臣さんの人柄を明るく偲びながら、華やかな神戸倶楽部の料理を愉しんだ。陳舜臣さん直筆の書陳さんの直筆原稿も展示浅井祐介さん渡邊百合さん71

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