KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
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され、川西市・猪名川町では病床減少の必要性と病床機能の転換が重要な課題となりました。その一方で近隣の他市の実情がほとんど分からず、医療提供体制の調整は極めて難しいものだったのです。そこで、諸問題に対処すべく連携法人を立ち上げることとなり、2021年に川西・猪名川地域ヘルスケアネットワークが設立されました。─連携法人ごとに個性があるとのことですが、川西・猪名川地域ヘルスケアネットワークはどのような特徴がありますか。木村 モノやカネのメリットは利用せず、医療提供体制の長期的かつ効果的な維持、隣接する他圏域との連携を図りながら、川西・猪名川地域における医療機関相互間の機能分担・連携を進め、質の高い医療を効果的に提供することを目的としています。また、地域内にある法人格を持つ病院のすべてが参画し、川西市医師会・川西市歯科医師会・川西市薬剤師会のいわゆる三師会が理事割を担うべきと考えます。そして、この縦糸と横糸をつなぐ有力なツールとなり得るのが、地域医療連携推進法人です。─地域医療連携推進法人(以下、連携法人)とは何ですか。木村 連携法人とは、地域において良質かつ適切な医療を効率的に提供するため、病院などに関する業務の連携を推進するための方針を定めて医療連携推進業務を行う一般社団法人のことで、都道府県が認定します。今年4月までに39の法人が認定されましたが、地域医療の実情によってどのメリットを利用するかは全く異なり、連携法人ごとにかなり個性があります。─連携法人の制度ができた背景を教えてください。木村 2012年~2013年の社会保障制度改革国民会議において、団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年を念頭において病院完結型から地域完結型への変更が強調されました。その流れの中、2015年9月の第7次医療法改正において「ご当地医療の構築」「競争より協調」とのスローガンのもとに連携法人の制度が創設され、2017年4月に施行されました。その趣旨は、グループの一体的運営により人・モノ・カネを有効活用することとされました。─連携法人は兵庫県内にいくつありますか。木村 これまで川西・猪名川地域ヘルスケアネットワークとはりま姫路総合医療センター整備推進機構の2つが認定されましたが、後者は兵庫県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の統廃合というミッションを完了して一昨年に解散していますので、現在は1つということになります。─川西・猪名川地域ヘルスケアネットワークはどのような経緯で設立されましたか。木村 川西市・猪名川町のある阪神北圏域は病床過剰地域と91

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