KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
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加速化対策へと移行している。一方、リペア会は2014年、任意団体として発足し、16年から一般社団法人として活動を推進してきた。調査試験会社、専門工事会社、材料・製品メーカーなど会員各社が連携・協力して独自のネットワークを構築し、土木・建築構造物の調査・診断から補修補強工事まで一貫して提供している。会員企業は現在65社、国の強靭化対策に貢献する体制を整えている。さらに建造物の補修・補強を担う人材育成にも着手し、2019年1月に国土交通省の民間技術者資格に登録され、24年2月には銅橋・コンクリート橋の点検・診断の4部門で登録民間資格として5年更新認定を受けている。定例会で会長兼代表理事の白木渡氏はリペア会の新たな理念について「建設業全般において2024年問題を抱えています。働く人の『安全・健康・ウエルビーイング』を今後の理念のひとつに定めました。身体的・精神的・社会的に良好な状態で、やりがい、生きがいを感じて働ける職場づくりに取り組みます。これに関して産官学がフラットに議論できる場を提供し、IoTやAIを活用した先端的なインフラ・メンテナンスの技術開発を推進します」と語っている。臨席した久元神戸市長、石井西宮市長は今後への期待を話した。会員企業6社が研究開発した新技術が紹介され、理事兼試験委員長の水越睦視氏の基調講演「各種コンクリートの実構造物への適用性について」を聴講し、閉会となった。久元喜造神戸市長「神戸市は歴史が古くさまざまなインフラが老朽化しています。SDG'sの時代ですから補修補強技術、そのための点検技術を進化させていかなくてはなりません。市役所内でも職員技術研修所をオープンし人材の養成を始めました。また超高温が常態化する中、屋外で作業をする人の安全・健康確保も重要な課題です。リペア会の活動に敬意を表するとともに、ますます充実・拡大し新たなテクノロジーやサービスが世の中に出ていくことに期待しています」一般社団法人リペア会の詳細はこちらからどうぞhttp://repairkai.or.jp石井登志郎西宮市長「西宮市内の橋の架け替え工事で費用面の折り合いがつかず工期が遅れるという事態がありました。『リペアでできたらよかったのに』などと思っているところです。公共事業の老朽化の一方で財政難があります。リペア会の技術開発が進み、行政の柔軟性が増すことでご提案を受け入れながらインフラを維持していければと思っております。今後ともよろしくお願いいたします」87

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