andcarsMovie Ethan Yetman@shutterstock日産GT-RGT-Rは日産のスポーツモデルの象徴である。スカイラインGT-Rは1969年にデビュー、2,000㏄ツインカムエンジンは160馬力を誇った。ハコスカ、ケンメリ、R32、R33、R34と継承された。そして、2007年にR35が「スカイラインGT-R」ではなく「日産GT-R」として登場する。スカイラインの設計とは全く異なる2ドアクーペとして開発され、市街地での乗り心地、環境性能、乗用車としての要件を満たし、時にスーパーカーの魅力を楽しめるパフォーマンスを持つというコンセプトである。GTアカデミーの実習車として劇中に登場、3,800㏄V型6気筒ツインターボ、最高出力570馬力のエンジンを搭載。この動力性能を支える4WD機能、シャーシ、ブレーキ、サスペンション、空力ボディの評価は高く、数々のレースで好成績を収めている。GT-Rの人気は衰えないが2025年にR35は生産終了となる予定。NISSANGT-R映 画:『グランツーリスモ』 アメリカ 2023年登場車両:日産GT-R1997年に発売開始されたソニー・プレイステーションのドライビングゲームソフト「グランツーリスモ」は大ヒットした。今はバージョン7になりゲームとは思えないクォリティーは自動車レースのシミュレーターとしても利用されている。そのゲームに幼い頃から夢中なヤン(アーチー・マデクウィ)は、元プロサッカー選手の父親から、20歳を前にしてレーサーにでもなる気か?現実を見ろと呆れられる。ある日、そんなヤンにビッグニュースが届く、世界中のグランツーリスモのトッププレイヤー10名を集めて、国際カーレースに出場するプロレーサー育成プログラム「GTアカデミー」への招待状だった。ゲームで優れていても本物のレースには通用しないという見解が多い中、日産(ニスモ)の協力を得てGTアカデミーは動き出す。実習車は日産GT-R、想像を超えるトレーニング、アクシデントに見舞われながらもヤンと仲間たちは着実に実車のコントロールを身に着けていった。いよいよシリーズ戦が始まり、シリーズ戦で4位入賞を果たすことで今後のレース活動のパスポートを得る。様々な妨害や障害を乗り越え、ゲームで培ったコースの知識と俊敏なコントロール感覚、そしてヤンの持つ天性の能力が国際レースの扉を開いていく。シリーズの序盤は苦戦を強いられるが、実車のレースに慣れてきた最終戦(ドバイ)で念願の4位入賞を果たしライセンスを手に入れ、日産から多額の契約金を獲得する。その後、ニュルブルクリンク(過酷なサーキット)のレースで快走するヤン、魔のフルークプラッツ(コースがジャンプ台の形状)でフロントが浮いた瞬間に車体が宙を舞った。観客を巻き込む大事故でヤンも負傷するが、観客の死亡を聞きショックを受け、自責の念に苛まれ立ち直れない。チームトレーナーのジャック(元レーサー)がニュルブルクリンクにヤンを誘う。事故現場にポルシェを止めてジャックは「ル・マン」で失敗した経験を語り、乗り越えるにはレースで結果を残すことしかないと励ます。ここからニュルブルクリンクのコースを最後まで走ろう!とポルシェのキーを渡すのだった。ヤンはGTアカデミーで共に頑張った2人と共に耐久レースの最高峰「ル・マン24時間」に挑む決意を固めた。家族、父親、友人、仲間達の応援を受けてル・マンはスタートした。ゲーム(シミュレーター)の世界からレースに参戦するレーサーはシムレーサーと呼ばれた。シムレーサーが国際レースで大健闘して、「ル・マン」で3位入賞を果たす実話である。友情、スピード、情熱、感動と共に134分。ヤン・マーデンボローは今もレース界で活躍している。文・株式会社マースト 代表取締役社長 湊 善行8
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