KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
77/136

天下の名湯とアートが心を癒やす大人の隠れ宿、高山荘華野に新しい銀泉付のお部屋がデビューした。その名は「山法師」。初夏の森に映える純白の花のように楚々として爽やかなトーンでまとめられ、華やかさよりも清らかさが際立つ、これまでありそうでなかった客室になっている。印象深いのは浴室だ。十和田石と黒御影の浴槽になみなみと注がれる銀泉の心地よさは言うまでもないが、それをサウナとともにプライベートに愉しめるのが素晴らしい。本場、フィンランドから直輸入したAuroomのサウナキャビンは、コントロールパネルで80℃から95℃までスマホ感覚で温度調節が可能なばかりか、なんとロウリュまでOKの優れもの。しかもさすがは北欧、見た目も洒落ていて、2人入っても余裕がある広さ。火照った体は、白神山地のヒバ材を組んだバスタブに満たされた冷水で締めよう。ドイツの世界的ブランド、グローエのオーバーヘッドシャワーも気持ちよく汗を流してくれる。さらに半屋外のインナーテラスは、タイル敷きなのでひんやりとして気持ちが良い。このテラスが快適でユニークだ。3階なので視界が開け、建物自体も高台に位置しているので、窓からは仰げば有馬中興の祖、仁西上人がここから枯れ葉を投げて埋もれた泉源を探し当てたという落葉山、見下ろせば太閤秀吉も愛した有馬の中心街を望むことができる。この開放感を味わいながら、カッシーナの個性的なソファに身を委ねるもよし、併設のミニバーで注いだフリードリンクをいただくも77

元のページ  ../index.html#77

このブックを見る