KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
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播磨地域での靴下製造の発祥は、明治19(1886)年に印南群志方町の住民が上海から手廻しの靴下編立機を持ち帰り、製造を始めたことによる。大正初期に半自動式靴下編立機、大正13(1924)年に自動編立機が輸入されて技術革新が進んだ。大正12(1923)年の関東大震災で靴下の一大産地の東京が被害を受けたことから播磨の産地規模が急速に拡大した。現在、奈良、東京とともに全国三大産地を形成している。2024 HYOGO産を世界に発信するPROJECT今年も大丸神戸店でHYOGO産ブランドが集合する「ひょうご国」開催!靴下マッチの生産は明治8(1875)年に東京で始まり、国内市場を満たすと輸出中心の産業となり、貿易に有利な大阪・神戸近辺に業者が集積した。華僑の手による輸出、豊富な労働力や晴天が多い気候条件などから兵庫県が生産の中心になった。生産地は神戸から次第に西へと移り、現在、自動マッチ製造機があるのは姫路市2社、岡山市1社。兵庫県の全国シェアは80%で、生産量の10%は米国向け中心に神戸港から輸出している。マッチ兵庫県の製革業は、弥生時代後期に大陸からの帰化人が鞣製技術を伝え、その基礎を築いた。江戸時代中期に全国的な商品経済の発達と姫路藩の重商政策で大きく発展した。明治期の近代的鞣製法の取り入れと大正期の軍需専門化により急速に企業化が進んだ。古くから皮革1次製品のなめし革の生産拠点として発展し、多くの工場が独自の技術を発揮し、全国有数の高級皮革産地に成長した。皮革寛政4(1792)年、現・西脇市比延町の宮大工、飛田安兵衛が京都・西陣から織物製作の技術を導入したことが起源と伝えられている。先に糸を染め、染め上げた糸で柄を織る「先染め」が特徴で、自然な肌触りと豊かな色彩を生かした生地は、シャツやブラウス、ストールなど様々な製品に加工されている。また、品質の高さから国内外のブランドの生地にも採用されている。播州織成牛革生産量日本一:姫路市・たつの市国内生産では高いシェアを誇る先染め綿織物:北播磨地域靴下の3大生産地:兵庫県マッチ生産量日本一:兵庫県70

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