123「神戸レザーとコラボして、台湾の会社が回収ペットボトルから作る生地を使い、帽子の中でも若者層をターゲットとするベースボールキャップを作りたい」というデザイナー・汪麗琴さんの希望を受けた神戸レザー協同組合の片山喜市郎代表理事の案内で訪ねたのは「株式会社MINERVAミシン研究所」。神戸ビーフ(神戸牛)のレザーに注目し、HYOGO産に新たなジャンルを立ち上げた片山さんが信頼を置く、いま〝旬〟の帽子メーカーだ。〝カッコ良さ〟で人気の帽子づくりに特化して1カ月に3000~4000枚を製造している。幾つもの特殊な技術を持ち、中でもキャップのツバ裏のステッチは他では真似できないという。早速、汪さんは持参した再生生地のサンプルを提示して使用可能かを榎本英弥所長に打診、キャップづくりに適した布の伸縮性や厚みなどを確認した。研究所で現在製作中の冬物キャップが並べられ、一つひとつ手に取り、「金具や天ボタンの使い方は?」「レザーとのコンビ使いがどこまで可能か」「サンプルの提出方法は?」など、デザインの詳細やコラボを進めるに当たっての必要事項を質問した。研究所内には特注品もあるという帽子づくりの工程に特化したミシンが並び、完全分業で行われている作業工程を興味深く見学し質問を投げかけた。その後一行は、この日の宿泊地・姫路へと向かった。神戸レザーと再生生地のコラボで作るエコで〝旬〟な帽子神戸レザー台湾デザイン研究院×1特殊な技術を生かし、1カ月に3000~4000枚を製造する 2神戸ビーフの皮革を使った神戸レザーは、新たなブランドとして注目されている 3キャップのツバ裏のステッチなど、特殊な技術について説明する榎本所長株式会社MINERVAミシン研究所8/561
元のページ ../index.html#61