KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
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123458月4日、関西国際空港に到着したTDRI一行は神戸ポートピアホテルに宿泊し、翌朝、淡路島へ向けて貸し切りバスで出発した。淡路瓦工業組合で竹澤英明専務理事から歴史と製品について説明を受ける。400年余の歴史を持つ淡路瓦は全国で瓦づくりが少なくなる中、現在でも日本の三大産地(三州、石州、淡路)の一つに数えられている。その理由について竹澤さんは「200万年前まで湖底にあった淡路島で堆積された瓦づくりに最適の良質の粘土があったため」、特徴については「他の産地にはない小ロット多品種に対応できる手づくりの工程が多く残っていること」と話した。瓦は本来、建物を風雨から守る屋根材として使用されるが、景観材としての新商品が数多く開発され、ここ10年ほどで壁材・床材などへと用途が広がっている。日本だけでなく海外での施工例が紹介された。竹澤さんがサンプルを手に施工法を説明すると「おー!」と感嘆の声が上がり、瓦の割れ面の形状を生かしたデザイン性の高い「割肌ボーダー瓦」にデザイナーたちの注目が集まった。参加者から「床材として瓦は硬すぎないか」「どの程度の重量に耐えられるか」「摩耗はどの程度か」「施工に特殊技術が必要か」など質問が寄せられた。専門職人「鬼師」が手づくりする「鬼瓦」と「鍾軌(しょうき)さん」の置物が紹介され、一行はそれらを製造する「株式会社タツミ」へと向かった。淡路瓦台湾デザイン研究院×今や〝屋根材〟だけではない「淡路瓦」とのコラボに期待淡路瓦工業組合12淡路瓦の歴史を知るために淡路瓦工業組合を訪れた 3最近ではデザイン性を生かし、建材以外にも利用されている 4竹澤さんの話に熱心に耳を傾ける台湾デザイン研究院のメンバーたち 5淡路瓦の歴史について語る竹澤さん8/558

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