KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
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平原がステージで繰り出してきた歌や演奏のジャンルは多彩だ。「いろいろな歌声を正隆さんに引き出してもらいたい。これまで、ずっと、できないことにチャレンジしてきました。その“21年間の集大成”のコンサートとなれば」まだ歌っていないジャンルはあるのか?そう聞くと、「演歌ですかねえ…自分ではもう、思い浮かばなくて」と笑った。この21年目の全国ツアーが終われば、また、すぐに次の舞台が待っている。来年2025年1月には、ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』の舞台に立つ。2014年、平原が初めてミュージカルに挑んだ“あの舞台”である。今からちょうど10年前。平原のミュージカル・デビューのきっかけを聞いて驚かない者はいないだろう。「オファーを受けた『ラブ・ネバー・ダイ』のヒロイン、クリスティーヌはオペラ歌手。私は、それまでオペラを歌ったことがないし、ミュージカルで演じたこともない。やっぱり自分には無理です」そう言って2回断ったら、英国へ呼ばれ、説得された。説得してくれた、その人の名は、『オペラ座の怪人』や『キャッツ』、そしてこの舞台の楽曲を手掛けた世界的作曲家、アンドリュー・ロイド・エヴァーだった。彼からの直々の出演オファーを2回も断ったミュージカル俳優は、世界でもそうはいないだろう。「あれから10年ですね。ミュージカルに挑戦して本当に良かったと思います。あのとき、もしミュージカルの舞台に立っていなければ、今の私はいませんから」 歌にミュージカルに、と活躍の場を広げてきたが、40歳を迎え、将来の目標が気になる。「世界で歌いたい。ずっとそう考えてきました」コロナ禍、ステージで歌えない辛さも経験したからこそ、「歌で世界をつなぎたい」。そんな壮大な構想を温めてきた。「今、10年後をイメージしています。50歳の自分はどうなっていたいのか。どうすれば音楽で人の役にたつことができるのか。今からしっかりと準備しておきたい」見据える夢の先ははるか遠く高く…。どこまでも響きわたる歌声のように果てしなく広がっていく。平原綾香 Concert Tour 2024-2025~The Swinging Classics!~■神戸公演 日時:2024年11月16日(土)16:30開演 会場:神戸国際会館こくさいホール■大阪公演 日時:2024年12月15日(日)17:00開演 会場:フェスティバルホール詳しくはコチラ28

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