KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
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のヒロイン、サティーンをみんなが待っているから。「今日は久々に〝サティーンから抜け出し平原綾香に戻れる日〟です。だから休日なんてなくてもいい。こうやって平原綾香として、ツアーへの思いをみんなに伝えられることがとてもうれしくて」『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』は東京、大阪と続く9月28日までのロング新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第46回は昨年、デビュー20周年の節目を迎えたシンガー・ソングライター、平原綾香。21年目の全国ツアーが10月から始まるのを前に「今年は次の20年に向けてのスタートとなる重要な年です」と強い意気込みを語った。歌い続けた20年…21年目で挑む〝音楽の根源〟THESTORYBEGINS-vol.46■シンガー・ソングライター■平原 綾香さん⊘ 物語が始まる ⊘ビューしたあの一年目が最も忙しい年でしたね。あれ以上に忙しかった年はないですから」と柔和な笑顔を浮かべ20年を振り返る。とはいえ、2024年も忙しさは変わらない。この日の大阪市内での取材は『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の東京での公演中の合間を縫っての来阪。「取材が終われば、東京へすぐに戻らないと…」。主演走り続けた20年2003年。英作曲家、ホルストの組曲『惑星』の中から『木星』をモチーフに日本語の詞を乗せた壮大な曲『ジュピター』を力強い伸びやかな声で歌い上げ、鮮烈にデビューした。以来21年にわたり、平原綾香はミュージックシーンの第一線を駆け抜けてきた。「今、振り返ってみても、デ文・戸津井 康之撮影・服部プロセス24

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