KOBECCO(月刊神戸っ子)2024年9月号
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館」から「博物館」に変わってしまうかも知れません。あと何十年もすれば、完全に過去の作品で、そこに登場するレクイエムの人達はもはや時代物です。そんな時代がもう僕には見えていまがいてもおかしくないと思いますよ。そのうちあと何十年、いや、あと何年もしないうちに古典になってしまうかも知れません。『横尾忠則現代美術館』という名称も、いずれ「現代美術横尾忠則現代美術館美術家 横尾 忠則1936年兵庫県生まれ。ニューヨーク近代美術館、パリのカルティエ財団現代美術館など世界各国で個展を開催。旭日小綬章、朝日賞、高松宮殿下記念世界文化賞、東京都名誉都民顕彰、日本芸術院会員。著書に小説『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)、『言葉を離れる』(講談社エッセイ賞)、小説『原郷の森』ほか多数。2023年文化功労者に選ばれる。『レクイエム 猫と肖像と一人の画家』2024年9月14日(土)~12月15日(日)横尾忠則現代美術館(神戸市灘区)にて。す。あちらの世界、つまり彼岸から、僕は自分の作品が江戸時代などの延長に並んでいるような気がしています。だったらまだマシでしょうが、展示してもらえない時代のゴミにされてしまうかも知れません。まあ、そんな消滅していく状況を向こうから見るのも、愉しみのひとつになるかも知れません。まあ、レクイエムとはそういうことを語る展覧会じゃないでしょうか。「タマ、帰っておいで 088 アトリエにて」2020年、横尾忠則現代美術館蔵19

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